今日も生きてる。
左胸に手をかざし、
心臓が鼓動しているのを確かめる。
『……ふぅ…。』
俺が安心して溜め息をこぼすと
病室のドアが開いた。
『霧島君、今日から外出良いわよ。
ただし、病院の中庭だけよ。』
『ありがとうございます。』
病室に入ってきたのは、
若い看護婦だった。
『最近体調が良いから、
先生が許可してくれたのよ。』
『そうなんですか。』
看護婦はニコッと笑った。
俺も、それにつられて笑った。
『じゃあ、失礼するわね。』
看護婦が出ていった後、
俺は、鏡を手に持ち自分の顔を見た。
『………。』
…ちゃんと笑えていただろうか?

