【完結】無口な王子様



3月も中旬にもなると、一気に春らしくなる。


窓の外の青空を見ながら、君の笑顔を想った。


会いたい・・・。


この1ヶ月間、俺は光を失っていた。


でも、またしても隆に助けられた。


あいつは本当にいい男だ。


俺が女なら惚れているかもしれない・・・。


ふと、教室の前に掲げられている時計を見ると、小太りの男性教師が汗をかきながら、古典の授業をしている姿が目に入った。


古典なんやから、もう少し優雅に授業をしてもらいたいものだ。


耳障りな声質に汗が流れている額・・・どうもこいつの授業は好きになれない。


この授業が終わったらすぐに奈緒の学校に向かう。


そして、彼女に俺の想いを伝える。


誰か文句あるか?


授業が終わる頃には、俺はすでに帰る用意を万全にしてあった。