「亜紀!」

「ん?」

「オケろう?」

「いいよ。」

友達とカラオケをすることになった。

信号を待っていると見覚えのある人が隣に居た。

「誰だっけ?」

「ねぇ、亜紀。」

「どうしたの?」

「あれ由利じゃない?」

「そうだ由利だ!」

隣に居たのは同級生の由利だった。

「由利!」

「あ…」

由利と手を繋ぎ楽しそうに笑っていたのはあの男の人だった。

「由利って彼氏できたん?」

「うん!かっこいいでしょ?」

「いや、別に…ねぇ、亜紀。」

「え…?」

胸が締め付けられているように苦しかった。

「あ…」

彼も私に気づいた。

私には彼しか見えていなかった。