ジュエリー



「…よろしく、伊藤」
と一言だけ言って窓の外を見る佐野くん

その一言だけでも嬉しくて
もっと名前を呼んで欲しいと思ってしまう



……きっと、もうこのときからわたしは
あなたに溺れていた



「よし、1時間目は俺の授業だから特別に自習にしてやるっ!」

「だから、隣の席の伊藤は学校でも案内してやれ!他のやつらは歓迎会の準備でもしとけ」

「……とか言って先生、
授業したくないだけなんじゃ~?」

一人の生徒が茶々をいれる

「ばっか!俺がそんなこと思うわけ…」

「な「「「あるっ!!」」」」