それは瑠璃が“アイツ”に似てるからだろうか? 瑠璃が笑顔を振りまくたびに俺は“アイツ”を思い出してしまう。 そのたび胸が締め付けられる。 『じゃんけんしたらいいじゃん~』 「はっ!その手があったなっ! 行くぞ、佐野っ!最初はグー! じゃんけん、ぽんっ!」 「………」 「…なんか悪いな、上田。」 「るっせえ、何も言うなあっ!」 俺は今、このふわふわした気持ちに 名前をつけられずにいた。