学校から帰宅して、 すっかり冷たくなった手を はぁーはぁーと摩り、 あたためて、 服の擦れる音や、歩くたびになる足音、 そういった小さな音しか この部屋にはなかった。 もう慣れたもんだと 寂しい気持ちを隣に置いて、 またトントンと小さな音を立てて 夕食の準備をする。