顔も知らない貴方へ




私は再び携帯から目を離し、
サイネリアの花を眺めた。


「確か花言葉は、いつも喜びに満ちて
だっけ....。この花のおかげで、私とあの人のメール交換が始まったんだよね。」


そう呟くと、私は再び携帯を開き、
今日の朝届いたあの人からのメール
を読んだ。


「この人もきっと、今頑張って向き合ってる。.....私も待ってるだけじゃ駄目だよね。ぶつからなきゃ!」



私はそう言い、自分に喝を入れると、
椅子から立ち上がり、
病室を飛び出した。