「由良!何でここに?」


「バイト帰りだったんだけど、病院から梓出てきたのが見えてさ。声掛けようとしたら、家と逆方向行くから、どこ行くのか気になって付いてきちゃった!」



笑顔でそこまで言うと、
由良もベンチの前まで来て
私の隣に座った。


それから暫く、2人は黙って
丘からの景色を眺めていたが
由良が沈黙を破った。



「.....何かあったの?」



私の方を見ずに由良は聞いてきた。



「お母さんはもうすぐで病気が治るかもしれないらしい」