顔も知らない貴方へ



すると、騒ぐのをやめ、
恵太君は私を見つめ首を傾げる。


「さっき、私に頑張ったねって言ってくれたじゃない?あれ、結構嬉しかった。
あとね、患者さんの家族としての一言!
確かに、お母さんが苦しんでるのをみるのは辛かったよ。でも、私は病院に来てお母さんの隣にいれること、私を頼ってくれることがすごく嬉しかった。だから、心配とか迷惑かなとか思わずに、恵太君ももっと甘えてみたら?
私はその方が嬉しいなぁー!」


私がそう言うと、
恵太君は少し驚いた顔をした。


「.....いいの?
そんなこと言ったら、俺すごいめんどくさいやつになっちゃうよ?」


少し不安そうな顔で聞いてくる恵太君
に私は笑顔で答えた。


「もちろん!私はどんな恵太君でも
受け止めるから!」