顔も知らない貴方へ




私は以前林檎をあげた日以来、
702号室にちょくちょくと
お話をしに来るようになっていた。



最初はお互い緊張気味ではあったが、
お互い同い年ということも分かり、
今ではお互い恵太君、梓ちゃんと
名前呼びするくらい打ち解けていた。



私は病室に入ると、
恵太君のベットの横にある
丸椅子に座った。