顔も知らない貴方へ



暫くして、私の涙も収まると、
お母さんが退院したら
何をするかの話で盛り上がった。


旅行、買い物、料理、散歩、掃除

色々候補は出たが
結局2人でお家でのんびり過ごす
で話がまとまり、
私は椅子から立ち上がる。


「私そろそろ行くね。
今日ちょっと寄りたい所があるの。」


「そっか。
じゃあ気をつけてお家帰ってね。
あんまり遅くならないこと!」


「分かってるって!
それじゃあね。」


私は笑顔でお母さんに手を振ると、
病室を後にした。


そして、そのままエレベーターへと
向かい、7階のボタンを押す。