顔も知らない貴方へ



「何でもなーい!」

私は笑顔で答えると、
お母さんと同じように
林檎を口に放り込んだ。



林檎は甘酸っぱく、

あの人のことを言いたいのに
言えない私のもどかしい想いのようだった。