以前は学校から帰ると
明るい部屋に
母のおかえりという声が待っていた。

しかし、
私の両親は10年前に離婚していて、
ずっと母と2人暮しだった。
そんな母が癌で入院するように
なった今、私は高校生ながら
一人暮らしをしている。

誰もいない真っ暗な家に帰ると、
1人きりという寂しさを
強く感じてしまうのだ。


「あー、ダメダメ!
お母さん治療頑張ってるんだから
私も明るく元気でなきゃね!」


暗くなりかけていた心に喝を入れ、
取り敢えず母から預かってきた
洗濯物を洗おうとした時、
また携帯が震えていることに気づいた。