顔も知らない貴方へ



「確かに、このメールの内容が本当ならこの人は悪い人じゃないと思う。
でも、梓も分かってると思うけど、
メールは簡単に嘘がつけるんだよ。
今は優しくても、後から怖くなることだってある。信じ過ぎるのはダメ。
でも、梓はどうせ止めても返信するんでしょ?あんた変なとこで頑固だから....
もし、少しでもおかしくなったら
私に言うこと!いい?」



「うん!由良大好き!」


私は由良に抱きついた。


「ちょっと梓!花束崩れるー!」


そんなことをしているうちに、
私と由良はお母さんの
病室の前まで来た。


「お母さーん、今日は由良も
来てくれたよ.....って、
お母さんいないや。」


私が仕切りのカーテンを開けると、
そこにお母さんの姿は無く、
ベットはもぬけの殻だった。


「あれ?トイレかな?」