顔も知らない貴方へ



私が名前を呼ぶと、
チラッとこちらに視線を向ける。


「梓ちゃん.... かわいすぎ....」


そうそっと呟く恵太くんの耳は
真っ赤に染まっていた。


こんなに可愛いくて、
優しくて、
運命を感じられる相手は
きっといない。

「メールの相手が、恵太くんでよかった。」


私がそう言うと、
恵太くんも笑顔で言った。


「メールの相手が、梓ちゃんで
ほんとーによかった!」



これから先どうなるか分からない。

そんな不安に蓋をして、
やっと通じた想いを確かめるように
手を繋ぎ、笑いあった。


ただただ、
この瞬間が幸せだった。