「はい。そうですけど、よく知ってますね!そちらは宮沢伽南さんですよね?」


なぜか、松本翔は伽南のことを知っている。


「いや、知ってますよ。だって、松本選手の大ファンですもん!ていうか、なんで私のこと知ってるんですか?」

伽南がたずねる。

「友達から聞いて。剣道の宮沢伽南さんですよね?ていうか、1月全国大会ですよね?怪我してませんか?心配なので、こんどお詫びに何かおごらせてください。」


「そんな、悪いですよ。だって、もともと悪いのは、後ろ向いて歩いていた私じゃないですか。」


「いや、そんなことよりお詫びさせてください。僕の性格上、気が済まないんで。お願いします。」


そして、メールアドレスを交換しざるをえなくなって、お互いのメールアドレスを交換した。





これが、伽南にとっての運命の始まりだった。