私の中にある腫瘍がどんどん大きくなってるのがわかったのは
今日の昼に一回診査したときだった。

「奥さん、聞いてください。心愛ちゃんはもう今夜が峠かと思います。覚悟してください。」

「え……、でも心愛こんなに元気なんですよ?なのに、今夜が峠だなんて。」

「いえ、腫瘍が大きくなってるのが証拠です。」

自分でも信じられなかった……そこまで腫瘍が大きくなっているなんて。
やだよ、まだ死にたくない。どうして、ここまで生きてきたのに後悔しないように
精一杯いきてたのに。不安がどんどん募っていく……。

私はその話を聞いたあと部屋で一人で泣いた。涙が止まらない。辛いよ、苦しいよ。

「うぅ……ヒック……伶斗。助けて。」

強くならなきゃ、いなくなる前にみんなの前で笑顔でバイバイしたいよぉ……。
眠くならないうちに私は引き出しにある手紙を出した。

お母さんへ

伶斗へ

夕里へ

三人分の手紙を書いておこうと思ったのだ。

ーお母さんへー

お母さん、ここまで私を育ててくれてありがとう。

お母さん、あのね私お母さんの子でよかったって毎日思ってるよ。

幼稚園のときからお母さんの作ってくれる手作り弁当すごく美味しかった、

それと、私が伶斗に告白する前に応援してくれたこともずっと忘れてないの。

私が居なくなっても、お母さんはずっと笑顔で優しい人でいてください。

泣いたら、私はすごく辛いの。そんなお母さんを見たくない。

今まで育ててくれて本当にありがとう。

                  ー心愛ー

ー伶斗へー

伶斗は、ずっと私の傍でいてくれたね。

私ね、バスケしてる伶斗が一番好きだった。試合の時も応援に来て欲しいって

言われたとき、すごく嬉しかった。いつだって私のことで笑ってくれたり

起こってくれたね。告白してくれたときはびっくりした、周りに可愛い女子

たのに私を選んでくれるなんて思ってもいなかったよ。

私にとって伶斗は初めて愛した人です。幸せになって欲しい。

私のことで泣いて欲しくない。でも私のこと忘れないで。

伶斗、大好き。ちゃんと空から見守ってるよ。

                   ー心愛ー