「小田切弥生、遅刻っと…」


最悪…

心底そう思った。


鍵を落としたおばさんに、親切心で一緒に探した結果がこれである。

しかも、結局鍵は鞄の中にあった。


「どうしても免除になりませんか…?」


無理だとわかっていてもどうしても聞いてしまう。


「そう言われても。遅刻は遅刻だからね」


そう言って我が校の生徒会会長、長谷川大智はばつが悪そうに笑った。

ですよねぇ。


「ううぅ。皆勤狙ってたのに」


中学の頃、よく身体を壊し学園を休んでいたから、高校では皆勤を狙っていた。

それなのにまさかたった数分の遅刻で断念することになるなんて…