「あれ…教室…」


高校受験の日、私は緊張でトイレに駆け込み、そのまま教室の場所がわからなくなった。

少し落ち着けばすぐに着いただろうに、ただ同じところをグルグルと回り、面接会場に入る時間に近づいていった。

もうだめだ。

そう諦めた時。


「君、受験番号は?」


1人の生徒が私に声をかけてくれたんです?

その男子生徒は会場に着くまで色々な話をしてくれて、だんだんと緊張がとけていった。

そのおかげで面接もすんなりと終わり、安心して受験を終えることができたのだ。


あの人が話しかけてくれなかったら、私は諦めて家に帰っていただろう。

今思えば、あれが私の初恋なのかもしれない。