「うん、嫌いだよ。」

俺はきっぱりと、そう言い放った。

すると委員長は一瞬少し悲しそうな顔をしたが、すぐにまた微笑み、

「そっか!…じゃあ、また明日ね!」

と言って、昇降口を出た。

なぜ委員長がそんなことを聞いたのかはわからないけど、

雨の中赤い傘を開いた委員長は、
いつもは見せない顔をしていた。

その顔に、俺が簡単に心を奪われたのは
まだ内緒にしとくことにしよう。


――――――――赤い傘が似合う君。

END