小さな天使の魔法の言葉ーあなたに贈るラストプレゼントー

『今日はおばあちゃんの家に行くよー!』


『ばあ!』


『そう、おばあちゃん!』


琴美はお出かけすると聞いて、帽子をかぶって待っている。


『おもちゃ何持っていく?』


『ぼー!』


『ボールね?』


大好きなキャラクターが描かれたボールを大事に抱きかかえて玄関まで走って行った。


『じゃあ、レッツゴー!!』


『ゴー!』


車に乗ると大人しくなり、たまに音楽に合わせて手拍子したりしている。

実家までのいつもの道、今日もご機嫌元気だ!


『ほら、着いたよ!あ、あれ誰だー?』


玄関からお母さんが出てくると、琴美は満面の笑みで「だっこ」っとせがんでいる。

車を降りて家に入った瞬間、あちこちの部屋を走り回っては何をイタズラしようかと、嬉しそうにはしゃいでいた。


『琴美?先にまんまんちゃんアンだよ!』


私がそう言うと、仏壇のある部屋に入ってきて私のひざに座り、私のかけ声と同時に「アーン」とお辞儀をする。


『おじいちゃん、こんにちは!』


『わ!!』


仏壇のお父さんの写真に深々とお辞儀をする琴美。

時々テンションが上がるのか、キャーキャー言って走り回っていた。