小さな天使の魔法の言葉ーあなたに贈るラストプレゼントー

いい大人だよ?男でしょう?

本当に……ウチのパパは泣き虫なんだから。

耕平は、私の手をギュッと握り締めたまま、琴美が見ているのも忘れて子供のように泣いていた。


『耕平、ゴメンね?突然死んじゃって……ゴメン。』


愛する人が突然いなくなる悲しみは、私もよく知ってるよ。

後悔と絶望感だけが頭の中をグルグル回って、抜け出せなくなりそうだよね。


『でもね、私は全然、怒りとか恨みとかそんな気持ちはないんだよ。』


自分の不注意の事故じゃなかったけどね、ガソリンスタンドに行かなければいけなかった、あの場所を選んでしまった……

それは私の運命で、仕方のない事だったんだ。


『ただ、耕平と琴美と、これからもっと楽しい事が出来たのになって思うと寂しいけどね。』


涼しくなったら動物園に行こうとか、二歳の誕生日にはプレゼントは何がいいかなとか、これからやりたい事はたくさんあった。

もう少ししたら二人目も頑張らなきゃね?なんて事も思ってた。


『でもね、今の私の願いは、耕平が笑顔でいてくれる事なんだよ?耕平が笑顔でいれば、琴美も安心して笑顔でいられると思うから。』


私の事を思って泣いてくれる耕平が好き。

私の言葉を聞いて泣きじゃくる耕平が……

本当に好きよ。

でも一番見たい顔は泣き顔じゃないの。


『だからね……』


私は両手で、いつものように耕平の頬をつねった。

琴美もマネして、耕平と私の間から手を出し頬を叩いている。

耕平?

死んでしまった私が言うのは何か変だけどね、私、今最高に幸せなの。

耕平にね、愛されてる気持ちだけで十分なんだよ。

いつも言わなかったけど私だって、耕平の事愛していたよ。

今でも、これからも、私はずっとあなたを愛している。

だから……





『ほら、笑って?』