小さな天使の魔法の言葉ーあなたに贈るラストプレゼントー

『琴美?やったーって、何が嬉しいの?パパの事、励ませたのが嬉しいの?もう、人の気持ちが分かるようになったのか……?』


ゴメンね、耕平。

琴美はただ、私と練習した言葉が言えて嬉しくて喜んでるだけなの。


『ママ、やったー!』


ハイタッチをせがむ琴美の小さな手に、私は両方の手でハイタッチをするマネをした。


『琴美、今ママって言った?』


『ママー!』


不思議がる耕平をよそに、琴美は満面に笑みで私を指差している。


『琴美もしかして本当に……ママ、ここにいるのか?』


耕平の言葉に、琴美は私の右手をギュッと握ろうとする。

だけど、手を握る事が出来なくて泣きそうな顔をした。

ちょ、ちょっと待ってね?

手に意識を集中集中…………よし、繋げた!

手を繋ぐと、琴美は小さな力でめいいっぱい私の手を握ってきた。


『琴美?ありがとう、パパに伝えてくれて……本当にありがとうね。』


『あーと!』


琴美もマネして、ありがとうと頭を下げていた。

私はそんな琴美と手を繋いだまま、耕平のそばまで近づいていく。

耕平の手も……握れるのかな?

私は、耕平の前にしゃがみ込みその手の上に私の手を重ねた。





『真子…………』




耕平はものすごく驚いた顔をしている。

そんなの当たり前だよね。

だって、いきなり幽霊が現れたら誰でも恐いに決まってる。


『ゴメンね、恐いよね?』


同じ姿をしていても、恐い存在になってしまった事は、正直辛くて悲しかった。


『違うよ、恐い訳ない……』


『無理しなくていいよ、幽霊だもんね!あり得ないよね?恐いに決まってるよね……』


『違うって!恐いとかじゃなくてただ、ビックリしただけで!』


耕平は必死に弁解しながら、涙を流していた。



『真子……会いたかったよ……』