小さな天使の魔法の言葉ーあなたに贈るラストプレゼントー

琴美は、おなかいっぱい食べて満足したのか、スプーンで食器を叩いて遊び出した。


『琴美、スプーンで遊んじゃダメだよ!ごちそうさまならパパにちゃんと言って?』


『まー。』


私が注意をすると、琴美はスプーンを置いて手を合わす。

ごちそうさまと言っているけど、耕平は気づいていない。

耕平のお茶碗には、まだそのままのご飯が残っていた。


『まー!』


少し怒ったように大きな声を出した琴美にやっと気づいて、耕平は慌てて琴美のつけていたエプロンを外した。


『ゴメンゴメン、ごちそうさまな?琴美、いっぱい食べてくれてありがとうな。』


耕平は、琴美の頭を優しくなでる。


『パパ、今日は食べられないや。やっぱりママの味とは全然違うな。ママのご飯は、おいしかったな……』


耕平、まだ焦がしちゃった事気にしてるの?

大丈夫だってば!琴美はね、私のご飯でも、気に入らない味だったら食べないんだよ?

だからね、ハンバーグはおいしいはずだよ!

しっかり食べなきゃ!いつもはご飯おかわりするんだから、ご飯もしっかり食べて?


『琴美ゴメン……パパ、ママにはなれない……』


何言ってるの……

耕平は、ママになろうなんて思わなくてもいいんだよ。

料理なんか完璧じゃなくてもいいし、出来ない時はお母さんに頼めばいいんだよ?

仕事も、大変だってみんな分かってる。

だから、今までと同じように琴美といる時間を大切にしてくれるだけでいいんだよ。

パパの代わりは他にはいない、私の分まで琴美を愛してくれたら、それで十分なんだよ。