小さな天使の魔法の言葉ーあなたに贈るラストプレゼントー

四十九日まで後三日。

琴美は、前よりうまくあの言葉を言えるようになっていた。

今日は、耕平の仕事が終わるのが早かったようで、いつもより早く家に帰ってきた。

夜ご飯を頑張って作るなんて言ってたけど、大丈夫かな。


『今日はパパが、琴美の大好物作ってやるからな?それまで、テレビ見て待っててな。』


琴美は、大好きな子供番組を見て、ご機嫌に歌ったり踊ったりしていた。

耕平……ハンバーグなんか作った事ないのに何で急に?

私はふとカレンダーを見ると、今日は琴美の1歳9ヶ月の記念日だという事に気づいた。

記念日なんて、いつも気にした事ないくせに……

私が毎月、ちょっと豪華なご飯を作ったりしてお祝いしてたから、やらなきゃいけないって思ったのかな?

耕平は、携帯でレシピを見つつも、分量は大ざっぱにボールに入れていく。

一生懸命こねてはいるけど、このままだと固くなりそう……


『琴美?ちょっとこっちに来て!』


私に呼ばれた琴美が、嬉しそうに走ってきた。


『パパの方向いて、大きな声で「とうふ」って言ってごらん?』


『ふー。』


『とうふ!』


『とっふ!』


琴美は頑張って伝えようとしているけど、なかなか耕平には伝わらなかった。


『琴美、こっちは危ないから来ちゃダメだよ。』


『とーふ!』


『とーふ?豆腐、入れるのか?あ、そうか、琴美まだ奥歯はえてないんだったな。真子、何にでも豆腐混ぜて柔らかく作ってるって言ってた事あったっけ。』


伝わったー!

そうそう、豆腐は便利なんだよ!柔らかくなるしヘルシーだし!

琴美の為もあるけど、耕平の少しの出てきたおなかの為でもあるんだよ!