小さな天使の魔法の言葉ーあなたに贈るラストプレゼントー

昨日の事で分かった事が一つ。

私が触れた人に、私が見えるようになるという事。

琴美は元々見えてるから論外かな?

小さい子は霊が見えてるって話は聞いた事あったけど……どうやらそれは本当らしい。

今日は、実家にイトコとその子供が遊びに来ている。

琴美より一つ年上だけど、ガッツリ私が見えている。

そしてなぜか、鬼ごっこの鬼をさせられているのだ。

もちろん大人達は、子供達が走り回っているようにしか見えない。


『お父さん、鬼変わって!』


『無理だ……もう動けない!』


幽霊を動けなくするなんて、恐ろしい子供パワーだわ。


『ところで、耕平君の様子はどうだ?』


『うーん、いっぱいいっぱいって感じかな。でも、夜になるといつも泣いてる……かな。』


『泣くのは仕方ない事だよ。でも、真子の死をしっかり受け入れて、前を向いて生きていく覚悟を見せてもらわないとね……それでもし後を追うなんて事になったら、真子も耕平君も、一生成仏出来ずにさまよう事になるよ。』


そんなの、絶対ダメだよ。

私はどうなってもいいけど、耕平をそんな気持ちのままでいさせたくない。

私はもう、未練なんてない!

本当にそうか?って聞かれたら、意思が緩んでしまいそうだけど、生き返りたいなんてもう望んだりしないって決めたんだ。

耕平や琴美、私の大切な人が前を向いて生きていく、ただそれだけを私は願っている。

大切な人達が笑顔になる、それが一番幸せな事だから。