小さな天使の魔法の言葉ーあなたに贈るラストプレゼントー

『って言うかお父さん成仏してなかったの?』


お父さんは、亡くなってから四年たっている。

それなのにまだこの家にいるのは……ちょっと問題だよね?


『ちゃーんと成仏しましたよ、今はお母さんの守護霊になりました。ああー!琴美味噌汁こぼしてるよ!』


お父さんは、琴美がごはんを食べている所を嬉しそうに見ながらそう話した。

守護霊……?何か思ってたのと違う。

死んだらお空で見守る、みたいな感じだと思ってた。

でも、少し安心したかも。

この事を知ったらお母さん、喜ぶだろうね。


『あ、そうそう、四十九日までに家族に安らかに見送ってもらわないと、成仏出来なくなるよ。成仏出来なければ、生まれ変わる事も守護霊になる事も出来なくなるからね!まあ真子は悪い事はしてないし、地獄に行く事は絶対ないよ。』


安らかに見送る?たった四十九日で、安らかな気持ちになれるわけない。


『お父さんが死んだ時、安らかになんか見送れなかったよ?今だって、親孝行出来なくて後悔してるのに!』


ずっと、後悔してた。

お父さんの事は好きだったけど、一緒に出かけるわけでもないし、一緒にテレビを見るわけでもない、家族だからいるのが当たり前だと思っていた。

いなくなると分かっていたら、もっと大事にしたのに。

そんな事、生きてる時には気づかない。大切な人が急にいなくなるなんてこれっぽっちも考えた事がないから。