「なに!?うちの百合愛と結婚できないっていうのか!?」



さっき、聞いたようなセリフを光輝先輩は言った。



そうだ!俺、百合愛を追いかけようとしてたんだ!



「お!俺ちょっと行ってきます!」



「行くって!どこに行くんですか!?」



今までずっと黙っていた雪がやっと声を発した。



「ゆ・・・」


百合愛の名前を言おうとした瞬間
光輝先輩が鋭い目つきで睨んできた。



「さ・・・早乙女さんの所に・・・」



言い直してすぐに俺は生徒会室を飛び出した。



まさか、百合愛の兄がシスコンだったなんて・・・


しかも、本人の前では超俺様キャラで
斗真と百合愛をくっつけようとしてるとは・・・


とんでもなく訳の解らない人が現れたな・・・



「ところで百合愛はどこにいるんだよ」



俺が独り言を言うと自分の教室の前で百合愛の声がした。



「もぅ!なんで来るのよ!!
兄さんはもう生徒会長じゃないのに!!」



「百合愛?」



俺が教室に入るとそこには百合愛一人だけだった。