すると、掴まれた腕が持っていた弁当が勢いで落ちてしまい
弁当箱が落ちる音が教室中に響き渡り
教室にいる全員がこちらを見た。


俺はその場から逃げるように教室を出た。



俺が向かったのは屋上だった
生徒会に行かない間、教室でさっきのように斗真や百合愛に
声をかけられないように屋上で食べたいた。


でも今は弁当を教室の床に落としたまま持ってきていない。



「はぁ・・・。腹減ったぁ~」


俺は腹を抑えながら言った。


教室に弁当を取りに戻るのも恥ずかしい
購買にパンを買いに行くにしても、財布は教室のカバンの中。



「はぁ~・・・。諦めるしかないか・・・」



そう言いながら俯くと突然目の前が陰った。



「君が欲しいのはこのお弁当かな?」



聞き覚えのある声がし、上を向くとそこには
百合愛が俺が落とした弁当箱を持ちながら立っていた。