「ディーンおじいさん~!」
亀の友達であるディーンのいる珊瑚礁の近く、海流のすぐそこがいつもの場所。
「リゼ、また来たんだね。」
亀のディーンはヒレをフイフイさせながら、リゼに近寄り、その頭をよしよしと撫でてやる。
「またお姉ちゃんたちが喧嘩してるの。」
リゼが不貞腐れながら言うと、ディーンは朗らかにハハハと笑った。
「笑い事じゃないよ。」
もう、ディーンおじいさんはこうやってよく笑うから、私が子供みたいじゃないの。
「喧嘩するほど、仲がいいんだよ。」
ニッコリ笑って私に言う。
もう聞きあきたよ。
「ねえ、また人間のお話して!」
「いいだろう、今日は何がいいかなあ。」
「…………となりました、めでたしめでたし。」
「ふぅーん、変なの。好きでもないのに結婚するの、人間は。」
「そういうものなのだよ。身分というものがあってね、結婚したくてもできない時があるんだよ。」
なんだか納得いかないなあ。
どうして好きでもないのに結婚しちゃうんだろう、嫌ならしなきゃいいのに!
「難しいものなのだよ、人間はね。そして、恋はね。」
ディーンがしみじみと昔のことを思い出すかのように言った。
「知ってる!また昔の恋人のマダム・セレーナの話でしょ!何度も聞いたよ~。」
とはいえ、ディーンおじいさんの話は素敵なものばかり。
私もいつか、恋してみたいなあ……。

