家に着くと、珍しく潤の方が先に椅子にもたれていた。
うとうとと、頭が落ちそうになっている。
どんな姿も愛おしい、けど、今はそんな風に思っていたらいけないのです。
「潤?」
私は小さく彼の肩を揺らす。
ん…、と唸って、重そうな瞼を開けた。
「千花……。」
彼が私を見上げている。
私は、彼から目が離せなかった。
ポロポロと涙がこぼれてくる。
「いやだよ、潤。別れたくないよ。好きだよ、潤。」
涙だけでない。
心の中の想いも溢れてくる。
「千花、左手出せ。」
潤に言われるがままに、ん、と左手を突き出した。
すると、薬指になにか入ってくる感触があった。
「潤…、これって……。」
左手にキラキラ輝く小さな石が嵌められたそれは、涙を止めるのには充分だった。
「じゃあ、あの女の人は?」
「先輩だよ、既婚者で、指輪を選ぶのを手伝ってくれたんだ。」
不安にさせてごめんな、そう言うと潤は私に軽く口付けをした。
「俺と……、結婚してください。必ず、千花を幸せにしてみせるから。」
「……、もちろん!」
私、名字が変わりました。
この度、小日向から如月になりました。
今後ともよろしくお願いします。
fin

