沈む気持ちを必死に抑えながら、私は目的地へと足を踏み出す。
もしかしたら見間違いかもしれないし、お昼休みでごはん食べに来たのかもしれないし、お客様かもしれないし……。
そうです、私は早とちりしがちなのだから、落ち着いて考えなきゃ…………。
家に着いて、テキパキと料理をこなす。
昔から料理は好きだったし、カフェでバイトしてるもんだからこういうのには慣れてるのです。
でも、今はちよっとだけ手を止めないのには理由があって、
手を止めて考え出したら、さっきの光景から嫌な想像ばかりしてしまいそう。
だから、手は止めないのです。
そろそろ潤の帰ってくる時間。
今日は少し早く上がれるって言ってたし、久しぶりにふたりでごはんが食べられる!
ほかほかのビーフシチューと、リンゴの入ったポテトサラダ、ブルーベリーが決め手のレアチーズケーキなど、食卓には様々な料理が並んだ。
ドキドキしながら潤の帰りを待つ。
「はやく、帰ってこないかなあ……。」
机に伏してそう呟くと、ケータイが鳴った。
「潤:今日は早く帰れそうにない、昼からずっとお客さんが入り続けてるんだ。ごめん。」
私は現実が受け入れられなくて、しばらくボーっとした。
あの女の人のことなの?
もうやだよ、さすがに待てないよ。
私はふらふらとベッドに倒れ込むと、そのまま眠ってしまった。

