「アルバム、見てたの?」


寝てしまった満を抱っこし、ベッドに寝かせる。

彼がそれをやるのはいつものことだ。


仕事で疲れていても、彼は疲れたとは言わないし、家のことも手伝いをしてくれる。



「うん。満、あなたのことかっこいいって」


「照れるよ」


「ふふ」


「優花もかわいかったよ。俺の中で一番」


珍しくそんなことを言った彼は、甘えたのように身を寄せてきた。



「ふふ、なに」


「今日もお疲れ様」


「それ、私の台詞」


自分よりはるかに身長が高い彼に抱きつくと、そのまま体を持ち上げられた。



「軽くなったな。ちゃんと食べてんのか」


「食べてるよ。あの頃と比べてる?」


「うん。でもあの頃もかわいかった。50キロは余裕で超えてる優花がかわいくて毎日ハラハラしてた」

「一言多いよ!ハラハラってなんで」


「優花が他の男好きだったから」



急に真面目な顔をした彼は、


唇を重ねて、幸せだと言う。



あの頃、


私は好きな人がいた。



最愛で、もうその人以上に好きな人なんてできないくらい。


でも、その恋は叶うことはなかった。