身分チガイ

「たか、は__!?」
高原は、ピクリとも動かない___
「おい、きいているのか?」

すると、少し、いや、ほんとに小さな声で、言った。


「死んでねぇよ…」

「ぁ___たか、は、ら___」

私はそのまま高原に抱き付く__

「イッ___」

「あぁ‼すまない!」

高原は、生きてる___高原が、ここにいる___


私にはもう、他に何もいらなかった___

「あぁ、高原………………好き___」

「えっ__に___」

「好きだ___君が___たまらなく__だい、す、き。」


やっといえた告白の言葉____

高原は、大きく目を見開いて、硬直している__

と、そこに___

「君___こんなにまでなって___」

そこにはお父様が立っていた。

「くっ__」

私は、条件反射で、高原の前に立った__

「私のSP達は__?」

「ぜん、ぶ、殴り__たおした__」

私の後ろにいた、高原が、今にも消え入りそうな声で、言う___

「なんと__これまでの男だったか___」

お父様は、感嘆の声を、もらす__

「新菜___すまなかった。」

「は____?」


お父様が、私に、頭を下げている___?

すると、後ろで野垂れ死にそうなはずの高原が、フラフラと、立って、お父様に近づく__

そして、

「おね、がいです‼宇佐美新菜さんを__俺にくれませんか?」

頭をさげる__

「ちょ、高原__!?」

私は、駆け寄る_

でも、お父様は、

「だが、君はまだ学生だよ?」

「はい__」

高原は、力なく答える__

「お父様‼」

私はお父様を、にらんだ__

お父様は、

「新菜、別に付き合う事を、認めてない訳じゃない。私はただ、彼を、誘っているだけだ。」

え・・・・・・・・・・?

「高原 翔君、君__私の企業をついではくれないか?」

「えぇぇ‼」
「はぁぁ‼」
私と、高原は、同時に叫んだ__

「え、でも、俺__まだ、学生__え?」

「だったら、中退して、英才教育を、受けてみるのは?」

お父様は、笑顔で言っている。

結局あのあと、お父様は、強制的に高原を、思いのままにしてしまった__

学校は行かせる。でも、家を、出て、私の家に住みなさい。といった。

高原はその後脅威的な回復力で、けがを治し、今は、私の家に私の婚約者として、経営の英才教育を、受けている__

この事を知った学校の人たちの彼への対する態度が急変。

私は、何もかもがうまくいって__本当に安心している__。


身分チガイの恋_____道は決して楽じゃなかった___。


でも、高原は、今も変わらず、元気。

私は、友達もできた______。



最初は、最悪な出会い方___でも、こんな出会いじゃなかったらきっと__


こうはならなかった。

全てが、この一秒一秒が、立派な奇跡____


私は人の人生は一つ一つの奇跡で…できているんだと思う____。

私の願いはただ一つ_____


『これからも、ずっと、高原と、いられますように…』

「ん、なんか言ったか?」

「えっ!?き、気のせいだよ‼」

「あ、そ?ま、いいや、ほら、帰るぞ。」


あぁ、本当に、いつか、彼にこのことが言えますように___

『ずっと、一緒にいようね?』

私は大きく深呼吸して___


「うん‼」

そういった___


今日の夕日は、今までで、一番…きれいだった。