「ん。水島先輩の親友がうちのエースの彼女。あ、もしかしたら母さん知ってるかも」
「えっ?」
「片桐千恵先輩って言うんだけど中学までは水島先輩のお母さんにピアノ習ってたって。陽菜のことも知ってたし」
まさか泣かせてたとは言えない。
「あ、あぁ、千恵ちゃんなの?知ってるわよ。陽菜がヤキモチ妬いてたから」
「何だ母さん知ってたの?」
「えぇ」
親父を無視して話してたのが気に入らないらしく
「何の話しだ?お前等だけで」
お袋がやれやれって感じで
「千恵ちゃんですよ、凛ちゃんの親友の。恭介さんも知ってるはずですよ。いつも陽菜がヤキモチ妬いて千恵ちゃんに『陽菜の凛ちゃんなの』って」
「あぁ、あの千恵ちゃんか」
親父も知ってるんだ、片桐先輩のこと。
「あの頃、付き添ってくれてたお母さんが困ってたわ」
「ハハハ…陽菜はどんだけ凛ちゃんが好きなんだよ?涼」
「ん?」
「お前も苦労するな」
「恭介さん」
「親父、どういう意味?」
「さぁな」
含み笑いをしてる。
お袋は目配せしてるし。
……
…
バレてる。
絶対に俺の気持ちがバレてる。



