「藤倉さん」
「校長先生、浅井先生」
陽菜の通っている中学校の校長と担任が真っ青な顔で走って来た。
陽菜の担任の浅井先生は俺と悠の中学時代の担任でもあるから顔見知りだ。
「今、警察から連絡がありまして。陽菜さんは?」
「ご心配をお掛けして申し訳ありません。陽菜は今、今日の経緯を警察に話しています」
「怪我の具合は?」
そうだ、俺達もまだ聞いていない。
「親父」
「あぁ。頬と脇腹は内出血。全治1週間くらいだ。二の腕は掠り傷程度なんで消毒だけで。ただ」
「ただ?」
「今は興奮しているが、これから日が経つに連れフラッシュバックする場合もあると」
フラッシュバック…
精神的なもの。
「…うっ」
「り、凛、大丈夫?」
嗚咽が聞こえてきたと思ったら
「わ、私の、私の…」
「先輩」
俺は思わず先輩を抱き締めて
「先輩には何の関係もない。先輩がそんな風に自分を責めると一番悲しむのは陽菜なんだから。でも、思いきり泣いて吐き出した方がいい」
先輩ももう限界がきている。
泣くことで感情が吐き出せるなら泣いた方がいい。
「り、涼君…ウワアァァァ~」
ついに限界に達したようで子どもみたいに泣き出した。
「ん、大丈夫、大丈夫だから」
俺には背中を擦ることしか出来ない。
でも、それでも先輩の役に立つなら…



