「部屋に閉じ込められて…押しても開かないし、窓から覗いてもこっちの通りとは違って空き地だから喚いても無理だし窓から飛び降りるのも3階だから出来ないし」
「……」
「陽菜ちゃん」
こんな時だが…やはり陽菜は強い。
「何とかドアを開けようと頑張って押してみたけど何かで押さえてあるみたいで開かないし。そんな時にアイツが凛ちゃんに電話してる声がドア越しに聞こえてきたの。私の携帯を勝手に使って。だから何とか凛ちゃんに聞こえるように『トイレ行きたい』って喚きまくった」
「陽菜、お前を連れ去ったのはアイツか?他に誰か」
「アイツだけだよ」
やはり、そうか。
「それで」
「うん。アイツのベッドでトイレするって言ったら慌ててドアを開ける音がしたからドアの前に立って開いた途端にこの学校の鞄でアイツの顔面殴ってやったわよ」
が、学校の鞄でって…
片桐先輩が鞄を持ち上げて
「何が入ってるの?かなり重たい」
「教科書とノートと英語の辞書とお弁当箱」
「そ、そりゃ重いわね」
確かに陽菜の荷物は多い。
これで殴られたら…のびるだろう。



