不器用な初恋~俺は君のことが好きだ~




ガタガタ震えてる陽菜を水島先輩が抱きしめ

「涼君、志織さんを呼んだ方が」

「だ、駄目!ママ心配する」

陽菜…

「今はそんなこと言ってる場合じゃない。それにお前が家にいないからもうとっくに心配している。悠、悪いがお袋に電話して此所へ来てもらってくれ。そしてお袋に親父に知らせてくれるようにと」

「分かった」

悠が電話している間に

「陽菜、アイツを閉じ込めた経緯(イキサツ)を話してくれ」

ここからマンションの入り口は見えている。

一応目を光らせているがアイツが出て来る様子はない。

「あ、あのね、クラブが終わってみんなと別れて暫くしたら後ろからいきなりカッターナイフを腕にあてられて」

「……」

「『覚えてるだろうな?』って声がして振り向いたらアイツが。『ちょっとお前に用事があるから大人しくついてこい』って。そんなこと言われて大人しくついて行くほど馬鹿じゃないから暴れた。その時にカッターの刃が触れて傷が出来たの。で、もうちょっとで逃げられるかと思ったんだけどその時に脇腹に一発お見舞いされて…抱えられてあのマンションに連れ込まれたの」

「マンションのたぶんアイツの部屋に押し込まれて『大人しくしてろ』って。その頃には脇腹の痛みもましになったからまた暴れたら今度は顔を殴られた」

聞けば聞くほどみんなの顔は驚きで青くなったり怒りで赤くなったり。

俺はあまりの嫌悪感からか吐き気すら感じる。