「あ、お兄ちゃん」
「ん?」
「悠ちゃんも誘おうよ」
「…はぁ?」
何で悠を?
「だってね、千恵ちゃんには千葉さん。凛ちゃんには私がいるじゃない。お兄ちゃん1人溢れちゃうよ。だから悠ちゃんを」
コイツはどういう思考回路なんだ?
ってあくまで自分本位自分が溢れるとは一切考えてない。
「悠は明日、法事だってさ」
「あ、そうなんだ。残念ね。ママ早く」
お袋がクスクス笑っている。
本当に陽菜は嵐みたいな奴だ。
「クッククク…」
もう1人笑ってるのがいた。
「陽菜はまるで一迅の風だな」
「……」
「悪いな。折角凛ちゃんとデートだったのに」
「親父」
悪いなんて思ってなく面白がってるだけだろ。
「陽菜を頼むな」
「あぁ」
もうデートなんて甘い雰囲気消えた。
完全に陽菜のお守りだ。
「ま、陽菜が一緒の方がお前も緊張せずに済むだろ」
「……」
「クッククク…」
「俺もう寝るわ」
「あぁ。明日陽菜に叩き起こされる前に起きろよ」
「やっぱり…」
「あぁ。明日アイツはめったやたらに早く起きるな」
「はぁ~ おやすみ」
陽菜は遠足や何処かに出かける日の朝はめちゃめちゃ早く起きる。
当然俺を叩き起こす。
自分が嬉しいから人も同じように嬉しいんだと思うタイプ。
マジに迷惑な奴だ。
親父も俺の向かいに座って酒を飲みながらテレビを見ていた。



