「『相変わらず裏表の激しい奴だな。 お前のファンが見たら嘆くぜ』『大丈夫。彼女等の前では俺はテニスの王子様だから。おい、それよりお前等も言うなよ。言ったらどうなるか分かってんだろうな』『わ、分かってるって』今まで聞いたことのない耳障りな声で。あ~私も騙されてたんだって」
何が『テニスの王子様』だよ。
その辺のチンピラよりたちが悪いじゃねえか。
「その時に扉が開いて誰かが『水島』って。それを聞いて『あ、 み、見に来てくれたんだ』って猫なで声で。 話しは聞こえてないと思ったんじゃない」
「せ、先輩は…」
「千恵が彼に『サイテー』って叫んでひっぱたきかけた」
片桐先輩ならやりそうだ。
「フフフ…」
「えっ?」
な、何がおかしいんだ?
「千恵より先に私がひっぱたいた」
「えっ?」
「『私は…女は貴方のアクセサリーじゃないのよ。馬鹿にするのもいい加減にして』って」
「……」
「彼等テニス部以外にも人はいたから。暫く話題になってたみたい」
「……」
「必死になって言い繕ってたようだけど」
そりゃそうだろうな。
自分で自分のことを『テニスの王子様』なんて自惚れてる馬鹿野郎なんだから。



