「凛ちゃん、宿題見てくれる?」
陽菜が甘えてる。
「うん、いいわよ」
陽菜と先輩がリビングを出て行き
「母さん」
「うん?」
お袋はゆっくり紅茶を飲んでる。
「先輩のこと…親しいの?」
「そりゃ陽菜がピアノを始めて、もう7年くらいよね。だからそれくらいからよ」
「7年前からって…俺知らなかった」
「そうだっけ。まぁ、凛ちゃんと陽菜は年も6つくらい違うから …でも陽菜が入った頃から可愛がってくれてるのよ。凛ちゃんって面倒見がいいから近所の子ども達にも慕われてるし」
あ~昨日もちびっこ達と遊んでたもんな。
「何で母さんが『凛ちゃん』って」
「何でって…だから言ったたじゃな い。7年前から知ってるから 」
あ、あぁ。
「同じ学校だって教えてくれてない」
「フフフ…何を怒ってるの。多分、陽菜が言ってると思うわよ。 貴方が右から左に流してたんでしょう」
「……」
「それに凛ちゃんね、休みとかにうちの会社でバイトしてくれてるのよ」
「えっ?」
「今年の夏休みもしてくれるって」
「バイト?うちの会社で?テニス部は?」
「あぁ、それね、貴方に言ってなかったから仕方ないんだけど」
お袋の顔が曇った。
「……」
「凛ちゃんね、去年の夏合宿の練習中に怪我してね…テニス出来なくなったのよ」
「えっ?」
テニス出来ないって…
「昨日、サッカー」
「あぁ、普通には運動大丈夫なんだけど本格的っていうか、選手としては負担が掛かりすぎるのよ」
「お、俺、何も」
俺、とんでもないことを言ってしまったのか。
「仕方ないわよ。大丈夫。貴方に悪気はないのは分かってるから。でも、後から謝りなさいね」
「あ、あぁ」
お袋は俺の肩をポンポンと叩いて台所へ。
――
―
俺…
先輩に最低の印象しか与えてな い。
何だか落ち込む。



