久しぶりにこの川沿いの道を歩いたせいだろうか。 忘れたふりをして誤魔化していた胸の痛みが襲ってくる。 「好き、って言えりゃ良かったのか?、、、なんてな」 あとの祭りだ、自嘲気味になりながら一人暮らしのアパートへと向かう。 「、、あら?恭弥くん?」 「、あ、、」 久しぶりに見た亜香里の母親は、最後に見た頃より老けてはいるが、相変わらず優しそうに微笑んだ。 「お久しぶりです。ご無沙汰していて、すみません。」 「あらあら、すっかり大人になったねえ。元気にしていたかしら?ちゃんと食べてる?」