Just Friend.

洋楽を聞きながら、通学路を歩く。


と言っても、どこに高校があるのか分からないから、同じ制服を着ている人たちに着いていってるだけだけど。


今日から二学期。


明らかに、出遅れてる。


友達、出来るかな。


ケータイのミュージックのアプリを開いて、プレイリストを探る。


そこには日本の曲はない。


日本語も、最近の流行語とか分かんない。


日本の女の子が、今何を好きなのかも、知らない。


日本人なのに、何も知らないなんて。


自分に失望して、ため息をつく。


そんな時、頭に何か感触があった。


「え?」


見てみると、手。


「……What?」


思わず出た英語。


「危ない。そのままじゃ木にぶつかる。」


流暢な英語が、私の左側から聞こえてきた。


見ると、顔の整った、けど不機嫌そうな顔の男の人が立っていた。


「教えてくれてありがとう。」


「いいえ。じゃあ。」


そう言うと彼は、去ろうとした。


「ねえ、待って。私学校への道、詳しく知らないの。連れていってくれない?」


彼は振り向いて、軽く頷いた。