それから私はすっかり椿書店に通うようになっていた。


お店のおばあちゃんとも親しくなって、おすすめの本を貸してくれたりした。


おばあちゃんはここでもう五十年近く本屋さんをやっているそうだ。


本に限らず、色々な事を知っていた。


秋になったら編み物を教えてもらう事になっている。


「ほら、これ読んでごらん」


そんなおばあちゃんから貸してもらった本がきっかけとなり、私は本が好きになっていった。



そして、自分で本を買うようになった。




ちなみに、猫の名前は『パン』ちゃん。

パンダのパン。

それを天野くんと一緒に聞いた私は誇らしげに微笑んだ。


自分で買った本に書いてあった英文を訳せるようになりたい。これからは英語の授業が楽しくなりそう。


苦手なものも気分次第で変わっていくのかもしれない。