それを知って私は天野くんがアメリカの高校へ編入できる事を望んだ。

将来、私じゃない誰か、優しいお母さんになれる女性と天野くんが結婚し、子供が生まれたら、その子とキャッチボールをしてほしいから。


私の口の中には、あの抹茶の苦味が蘇ってきていた。

しつけじゃなく虐待。

この耳には噴水の吹き上がる音が『虐待』という言葉になり溢れていた。

天野くんが私を幸せにできるかどうか、ではなく、私が天野くんを幸せにはできない。