そして、ルミとまたあの抹茶のお店へ。

運ばれてきた抹茶パフェ。

美しさに見とれてしまう。

日本って素敵だ。


「やっぱりおいしいね。ルミ、抹茶にはまっちゃったかも」


「うん。私もはまっちゃった」


抹茶アイスを小さなスプーンですくおうとした瞬間、女の子の泣き声が聞こえてきた。


見ると、奥の席にいる女の子が泣いていた。幼稚園生くらいだろうか。


どうしたのだろう。

なかなか泣き止まない。

ルミも他のお客さんもその子を気にかけている様子でちらちら見ていた。

その子のお母さんだと思われる女性は黙々と抹茶パフェを食べ続けている。

同じパフェなのになんだかおいしそうじゃない。おいしそうな顔をしていない。



やっとスプーンを置いた。と思ったら、その子の頬を平手打ちした。


「もう、うるさいわね!!」と、ヒステリックに。


更に泣きじゃくる女の子。

すると、今度は拳骨で頭を叩いた。


「黙りなさいっ!!」


「ルミ、あのお母さん、許せない」


ルミが席を立とうとした瞬間、その子の隣に座っていたおばさんがお母さんに声をかけた。


「どんな事があっても子供に手をあげちゃだめよ」


「これはしつけです!! 私だって自分の母親に叩かれ殴られ、そうやってしつけられてきたんです」


お母さんはそう言い放つと乱暴に女の子を抱き上げ、店を出て行った。

まだ食べかけのパフェを残して……。