数日後、採用の連絡が来た。
私は自分の部屋でガッツポーズを鏡に向かって決めた。
これで、あの浴衣が買える。
まだ働いてもいないのに気分だけはマラソンのゴール地点まで行っていた。
基本、私の正確にはムラがあって、バイトが長続きするかどうか、そこは自分でも先が読めないのに。
気分先行型なのだ。
夕ご飯の時にお父さんとお母さんにバイトの話をした。
反対されないための事後報告作戦。
「私、コンビニでバイトするから」
「梨織、お金の心配なんてしなくていいぞ。お小遣いくらい大丈夫だから」
やっぱり、お父さんは優しい。
「そうじゃなくて自分自身のため」
「曜日と時間は?」
お母さんも気にかけてくれた。
「月、火、木、土、日の週五日で午後六時から九時までの三時間。いいよね。ってもう決めちゃったけど」


