あ、お茶がない。
手持無沙汰にゴロゴロしていると、冷蔵庫のお茶がないことに気づいた。
ちらりと時計を見る。
時間は3時を示している。
まだまだ外は明るくて、危険を感じるような時間でもない。
ここからコンビニは5分とかからない。
それくらいなら……。
一人で外に出ることに抵抗はあったけど、いつまでもにいさんにビクついて、部屋に閉じこもっているのが嫌だった。
せっかくあの家を逃げ出してきたというのに、部屋に閉じこもってばかりでは何も変わってない気がして……。
大丈夫。
逃げんな。
あたしは、上着とお財布を手にして、玄関の扉を開けた。
「ありがとうございましたー」
コンビニで、ペットボトルのお茶を買って外に出た。
まだまだ明るいこの時間。
自分が思っていた以上に、外に出てしまえば気軽なものだった。
重たい2Lのペットボトルをぶら下げて、足早で歩いた。
コンビニから家の距離なんてたかがしれていて、あの角を曲がってしまえばもう智紀のマンションだ。
自然と駆け足になって、その角を曲がった時だった。
マンションの前には、見慣れない黒塗りの車が停まっていた。

