ノラ猫

 
「それとも首につける?」
「やだ」
「鎖もつけて拘束」
「……」


突然の問題発言。

智紀はあたしを、この部屋に縛り付けたいのだろうか……。


「変態思考?」
「そうかもな」
「したいの?する?」
「やめろ。誘惑すんな」


自分がそう言ってるから聞いてるのに、なぜか怒られた。


だけどあたしも変。
にいさんに縛られていた時は、あんなにも嫌で仕方がなかったのに、智紀のこの部屋なら、それも悪くないかも……なんて思っている自分がいる。


「お前は自由でいいから。
 帰ってくる場所がここなら」

「……うん」


ぽんと叩かれた頭。
ほんわかと心が温かくなった。


「じゃあ、行ってくる」
「いってらっしゃい」


今度こそ、智紀は部屋を出て行った。