ノラ猫

 
「………あーダメだ」


重なり合う二つの瞳に、
先に目を逸らしたのは智紀のほうだった。

さっと離れて、ガシガシと頭をかいてる。


「また犯罪犯す」
「え?」


その意味が分からなくて、ただ首をかしげた。


「あれ?18歳ってもう平気なんだっけ……」
「何が?」
「っつっても10個も下だっつーのに……」


あたしの突っ込みは無視。

一人ぶつぶつと何か言ってて、自分の世界モード。


「智紀」
「……何?」
「一人で何してんの?」
「ほっとけ」


せっかく捕まえても、突き放される始末。

意味わかんない。


「凛」
「何?」
「俺のこと好き?」
「え?」


突然すぎる質問に、目を丸くさせた。


「好きって?」
「そのままの意味」
「……」


答えに困りすぎる質問。

そもそも、好きってどういう意味なんだろう……。
お父さんやお母さんに対しての「好き」と同じこと?